自分が変える社会、自分が変わる人生

katakoi20082009-02-01



昨日は冷たい風が吹きつけ、時折小雨が降りしきるなか、2つの活動に参加した。(いや〜ホント、貧乏暇なしです。)


一つは勤務校で始動した「上総堀り」プロジェクト。
上総堀り」というのは、千葉県上総地方で考案され発展を遂げた井戸掘りの技術。人力で何百メートルもの穴を掘り、地下水を自噴させる。水の郷・久留里(くるり)には明治期に掘られた井戸が今でも活躍していて、地元の人たちはそのおいしい水を汲みに来るという。


昨日はその初顔合わせの会合だった。
このプロジェクトは、当初は教育の一環としてこの「上総堀り」を体験してみようというものだったが、構想がどんどんと大きくなり、本校の教員と学生たちだけでなく、現場近くの中学校や環境保全会の地域民、さらには地元中小企業のエンジニアたちとも協力して、井戸水を利用し蛍を再生させようというところまで夢がふくらんでいる。市も珍しく乗り気になっている。
見事地下水脈を掘り当て滾々と清水がわき出、現場の里山に蛍が乱舞することになれば、一本の映画にも匹敵する感動を呼ぶことだろう。さぁどうなるか。乞うご期待だ!


そして午後は市の中央公民館で行われた「南房総市民活動フェスタ」に参加した。あいにくの天気で野外のフリーマーケットは中止になってしまったが、この催しは千葉県南部で活動しているNPO法人の祭典で、日頃の活動の紹介やダンスなどの披露、農産物の販売などが行われていた。
私は以前からNPOに興味があり、今回は「NPO入門講座」に参加した。あまり詳しい話は聞けなかったけど、実に多くの人がすでにいろいろな活動をされていることを知り、とても励まされる思いがした。


上映されたビデオでは、乳幼児と新米ママさんをサポートするNPO、ホームレスを支援し、社会復帰を促すNPO、木工技術を修得し、地域の公園遊具などを修繕するNPO等々が紹介され、どの人も生き生きと活動されているのが印象的だった。
ホームレスを支援するNPOでは、若い女性もたくさんいて、親身になってホームレスの人たちの声に耳を傾けていた。ひとりの女性は「最初はホームレスの人たちに声をかけるのは恐かったけど、今は逆に声をかけられるのが嬉しくてこの活動をもう少し続けていきたい」と話していた。素敵だなと感じた。


今の日本はガタガタ・ダメダメだけど、利益を度外視してこうして地道に活動を続けている人たちが本当にたくさんいるんですね。
国に頼らず、行政に頼らず、やりたいことを自分でやり、そして生き甲斐を見つけながら社会貢献を果たしていく、これからの未来はそんな社会になっていくと思う。こうした考えを「協働」と言う。彼らはしてあげているのではなく、していること自体が楽しいのだ。自分が他人の役に立ち、喜んでもらえることがあれば、こんなに嬉しいことはない。(誰もがそう思うよね? 不思議だねぇ。生物学のなにかの本で読んだけれど、人間の生命にはどうもそういうプログラムが組まれているらしいんです。)


教員である私は、こうしたNPOの人たちと学校が手をとりあえば、閉塞感に押しつぶされそうになっている今の若者たちももっと元気を取り戻していくんではないかと思った。
いつかそんなことも勤務校で提案してみたい。(理解されないかな?)


考えてみれば当たり前だけど、楽しいことをやりはじめれば、人が自然と集まって仲間が増えていくんですね。
昨日はそんなことを実感させられる一日だった。