2008-01-01から1年間の記事一覧

心を鍛え、身体を読もう

なんだか急に詩を読みたくなる時がある。 それを感傷的な時分と言えばいいんだろうか。 ちょうど前回の出張帰りがそんな気分で、新幹線に乗る直前、仙台駅前のジュンク堂に飛び込んで、中原中也『シガレットの恋』(飯塚書店)を買い求めたのだった。 中原中…

幸せな覗き見

今日は用事のあったついでに千葉市美術館で開催されていた「雪舟と水墨画」展を覗いてみた。 年末ということもあってか、お客さんがほとんどいなく、おかげでゆっくり鑑賞することができた。 鳥が飛び、水草が生え、花が咲き、川が流れ、山が烟るモノトーン…

我々に立ち止まっている暇はない!

先週の出張以来、なんだかウジウジ・クヨクヨ考えているうちに、あっと言う間に一週間が過ぎてしまった。情けない……。 そんななか昨日は待ちに待った松岡正剛の連塾「JAPAN DEEP2」だった。 連塾は前々から参加はしたかったのだが、こんなひ弱な分際にはちょ…

勉強の秘訣

中間試験の採点やら成績の処理やらでずいぶんと更新が遅れてしまった。 それにしても学生たちの出来の悪さには愕然とする。だいたい、ふだん授業中にきちんとノートをとらないからこうなるのだ。試験前にノートを見直すだけで、確実に10点はアップするのに。…

この国のあした

昨日30日(日)は、NPO法人あしたの国まちづくりの会主催「シュタイナー・フォーラム講演会」に参加した。シュタイナーについては、前にこのブログでも書いたけど、あれからも地道にずっと勉強を続けているんです。(えっへん!) 昨日こちらは青空の広がる…

公私混同して語りあう

こう見えても「ボランティア」には興味があるんです。(ブログだから容姿は見えないと思うが。) 「ボランティア」については、金子郁容の『ボランティア もうひとつの情報社会』(岩波新書)を紹介してもいいのだけれど、今回はあえてより具体的で実践的な…

世界のカラクリ

昨日16日(日)は、用事のあったついでに千葉市生涯学習センターホールで上映された映画「NAKBAナクバ」を観てきた。 市民団体〈マルハバ!パレスチナ〉が企画したもので、映画上映後には広河隆一監督の講演会も行われた。 「NAKBAナクバ」は、イスラエル/…

つながる本への思い

『めざめ』(春秋社)の刊行記念イベントとして、真行寺君枝氏・松岡正剛氏の講演「「書くこと」と「読むこと」」とサイン会が神田の東京堂書店で行われた。 めずらしく妻が一緒に行きたいと言うので、久しぶりに二人で東京の街を散歩して会場を訪れた。 14…

TOKYO礼賛

妻との最初のデートは東京タワーだった。 今週、授業で東京タワーを取りあげたので、そのことを思い出した。電話で「どこに行きたい?」と聞いたら、彼女は「東京タワー」と答えてくれた。ずいぶんなつかしい。 でもなんで東京タワーだったのかな? 実は東京…

シーザーサラダのような恋!

子どもの頃、「自分のおもったことを素直に書きなさい」と指導を受けた。小学校の作文の授業だ。 でも自分の感情をストレートに表現することほど難しいことはない。(だって、それは相当に勇気のいることでしょ?) いったい書くとはいかなる行為なのか。ど…

「場」のしつらい

一昨日の土曜は待ちに待った講演会だった。 「2008 場のアーツコミュニケーション 共存在の深化―出会いから共創へ―」と題し、早稲田大学で清水博氏と松岡正剛氏の「出会いトーク」が行われた。 清水氏は東京大学薬学部教授を経て「場の研究所」を設立。現在…

再会がもたらすもの

何年かぶり、いや何十年かぶりにある女性と再会した。こんなことって、あるんだねぇ。 私は一気にその女性に惹かれてしまった。 その女性の名は、子安美知子さん。ドイツ語・ドイツ文学が専門の早大名誉教授である。ミヒャエル・エンデ『モモ』の翻訳者とし…

キャラクターの「たましひ」

人の絵姿を「影」(えい)または「御影」というのは、そこに身体から遊離した「たましひ」の所在を認めたからであろう。 ――山本健吉『いのちとかたち』 紙片を埋め尽くし、ノートにびっしりと書き込まれた南方熊楠の文字にいたく感動したことがある。そう言…

倚りかかる関係

1926年大阪に生まれた茨木のり子さんは、2006年に亡くなった。 その80年の生涯を想うとき、自分もすでに半分近くを過ごしてしまったことに改めて愕然とする。だからそろそろ人生の後半戦の準備を進めなきゃとも思う。 茨木のり子さんの詩については、国語の…

一縷の望み

この生きにくい時代をどう生きぬくか。これはなかなか難問だ。 今回はそのヒントになりそうな2冊をとりあげておきたい。 1冊は大澤真幸の『不可能性の時代』(岩波新書)。もう1冊は佐藤優・魚住昭の『ナショナリズムの迷宮 ラスプーチンかく語りき』(朝…

ぬくもりのある生活

先週末は研究会があったため、台風の接近にヒヤヒヤしながら、京都まで出かけた。(研究会については、また後日レポートすることにしたい。) 研究会の翌日はあいにくどしゃ降りの雨となったが、それでもせっかくなので京都の町をあちこち散策した。 前々か…

〈かなしみ〉を資糧に

宮沢賢治の有名な詩「雨ニモマケズ」は、正式に発表されたものではない。晩年、賢治が病床で使っていた黒革の手帳に走り書きされた草稿に過ぎない。 先月、花巻の宮沢賢治記念館を訪れた際、この黒革の手帳がそっくりそのままレプリカされていたので、ちょっ…

書展のハシゴ

夏休みあけ、学校がはじまって1週間。さすがに今週はきつかったな。 まだ心身のリズムが学校のペースに追いついていないのだろう。おまけに9日(火)〜10日(水)にかけては、泊まりがけで東京に出かけていたしな。(ここのところ我が家はほとんど母子家庭…

アーティストとサイエンス

今週は出張だの用事だので、あちこちと出かける機会が多かった。 となると、なかなか本を読む時間もとれないのだが、移動中の乗り物は案外、格好の読書空間ともなる。本と乗り物って、相性がいいんだね。(どちらも何かを運ぶものとも言えるしね。横光利一じ…

現実感のない日常

昨日は、早稲田大学でちょっとした用事があったついでに、夕方丸の内で映画「スカイ・クロラ」を観た。 こんなオッサンが行ったら浮いちゃうかな? と思ったけど、結構年配の人もいてホッとした。 冒頭の空中戦闘シーン、あまりの臨場感にあっという間に映画…

追憶への旅

夏休み後半はある研究報告会の準備に追われ、ブログの更新がままならない状態になってしまった。(たった一事で心身ともにいっぱいいっぱいになってしまうなんて、俺もまだまだだなぁ。) というわけで、実際には間に合わなかったのだが、その研究報告会に出…

ああ、懐かしの少年時代

先週末、世間より一足先に盆休みをとって名古屋の実家に帰省した。 車で延々5時間の旅だ。 今回の帰省では、約30年ぶりに自分が通っていた小学校と中学校を訪れてみた。 田舎にある私の小学校は、かなり遠く、大人が歩いても40〜50分はかかる。そこを6年間…

鍵と鍵穴

3日の日曜は、夏バテで体調がすぐれないなか、薬を飲みながら、六本木ミッドタウンへ出かけた。 21_21 DESIGN SIGHT で開催中の浅葉克己ディレクション「祈りの痕跡」展を見学するためだ。 たいへん面白い企画だった。無理して行った甲斐があった。 展覧会…

SMとPM

最近は日本でも、大学などは8〜9月を夏休みとしているところが多い。 アホか! このクソ暑いのに。 情けないことに本校もその流れに逆らえず、昨日まで授業があった。 さすがにこの時期の授業はきつい。「がんばろう」と思っても、身体がついていかない。 …

オペラ・デビュー

先週の土曜日は勝どきまで出かけ、第一生命ホールで東京室内歌劇場40周年記念公演・オペラ「夜長姫と耳男」を鑑賞した。 恥ずかしながらオペラというものを初めて見たが、思ったよりもエンジョイできた。 ハーフミラーを使った演出もなかなかよかった。 公演…

一対にひそむパラドックス

先々週、部活の遠征に行って以来、疲れがとれない。おまけにこの暑さで、さすがに夏バテ気味だ。 ブログの更新もすっかり遅れてしまった。 ここ最近、読んだのは(1)内田樹『先生はえらい』(ちくまプリマー新書)と(2)松村一男『この世界のはじまりの物語』…

斬新で懐かしい絵

土曜日は久しぶりに展覧会に出かけた。 国立新美術館で開かれている「エミリー・ウングワレー展」。 はじめて訪れたが、建物があまりに立派で驚いてしまった。 エミリー・ウングワレーは、オーストラリアのアボリジニで70歳をこえるまで絵筆を持ったことさえ…

イメージと情緒

スポーツの世界では「イメージ・トレーニング」という言葉は定着した観がある。 でも「イメージ」って、なんだろうか? 手元の辞書を引いてみると「像」・「画像」・「映像」・「印象」・「表象」などの言葉が並ぶ。 私はこれまで漠然と〈言葉=概念になる前…

世話のかかる奴

久しぶりに家族でピクニックに行った。 しかし今日は暑かった。初夏を通りこして真夏の陽気だった。あじさいの横でひまわりが咲いていた。 九州ではもう梅雨明けしたらしい。関東も間近ではないのか。 写真はこのあいだ6,000円ぐらいで買ったVISTAQUEST(VQ10…

受け取ってもらえないプレゼント

「あなたが感じる「日本」を写真に撮って、写メールで送りなさい(対象はモノでも人でも場所でもなんでも構わない)。」 という宿題を出したら、4分の1が未提出だった。 あとの4分の3はなんとか提出したものの、どれもこれもありきたりの写真ばかりで、…