2008-01-01から1年間の記事一覧

花に水をやろう

悲しいことにまたひとり、教え子が星へと帰って行った。 今はたくさんの花に囲まれ、それらに水をやっている頃だろうか。 今週はそんな悲しみに暮れながら、サン=テグジュペリの“Le Petit Prince”を読んだ。 日本では『星の王子さま』と言う。うまいタイトル…

ターナーのやぶにらみ

「馬鹿野郎」だの「間抜け」だの「頓直」だの、ケンカを売っているような「悪態」が口から威勢よくポンポン飛び出せば、さぞかしストレスを感じなくて済むだろう。 「陰口」はたたくが、面と向かって「悪口」をぶつける人は、今はあまりいないだろう。 この…

パラパラ読書

今週はある訓練のためにアイリーン・トリンブル/メアリー・オーリン作『ルイスと未来泥棒』(偕成社)を読んだ。ディズニー・アニメの小説版だ。 今日はたまたま日曜で、多少時間もあったからTSUTAYAでDVDも借りてきて、息子と一緒に映画の方も鑑賞した。 …

「遊び」の精神

今週はある必要に迫られて、鳥山石燕『画図百鬼夜行全画集』(角川ソフィア文庫)とハラルト・シュテュンプケ『鼻行類 新しく発見された哺乳類の構造と生活』(平凡社ライブラリー)を読んだ。 どちらも有名な本なので、すでにご存知の方は、こうして両書を…

ハイ、ち〜ず!

今週も前回に引き続いて「ヴィジュアル系で行こう!」と思い、荒木経惟の『天才アラーキーの写真ノ方法』(集英社新書)を読んで準備を進めていたのだが、勤務校でゴタゴタが発生し、かなりのドタバタ喜劇を演じているうちに、随分と更新が遅れてしまった。 …

ヴィジュアル・イメージ

先週の土日は学会と称して秘密の集まりに参加していた。 土曜の夕方5時に集合して、なんだかんだで私が一足先に仲間に別れを告げて帰ったたのは、翌朝日曜の5時だった。つまり延々12時間、ぶっ続け徹夜で議論を重ねていたわけだ。 一体誰と何をしていたの…

ヴィーナス、現る!

先日、近所の大型スーパーで買い物をしていたら、ある女性に一目惚れをしてしまった。 細い肩に小さな胸、クネクネッとした柔らかそうな緑の髪を背中あたりまで伸ばしていて、抱きしめると折れそうなぐらい華奢な腰つき。そうしてまっすぐにこちらを見つめて…

脱力の世界

今日は新宿テアトルで映画「タカダワタル的ゼロ」を観た。 高田渡って、前から気になる人だったけど、あの自由さはやっぱ凄いな。 泉谷しげるが国宝って言うだけはある。 飄々としていながら、毒がある。毒がありながら、ユーモアがある。 あんな生き方もい…

追憶アラカルト

野口雨情の「雨降りお月さん」ではないが、ここのところこちらでは寂しい雨が降っている。 今朝も春にしては冷たい雨だ。 そんなもの悲しい気分を抱えながら、今週は『日本の童謡 白秋、八十、そしてまど・みちおと金子みすゞ』(神奈川近代文学館)を取り上…

ウソのようなホントの話

今回はウソのようなホントの話。 そうだなぁ、パッと扉を開けて次の部屋に行こうとしたら、また同じ部屋に出てしまったような感覚といったらいいだろうか。それとも難しい数学の方程式を解いていたら、その解は実になじみ深いものだったという驚愕といったら…

サロンな彼奴

霧雨のなか、今日は神奈川近代文学館で行われている「生誕80年 澁澤龍彦回顧展」に出かけた。 展示も素晴らしかったし、詩人高橋睦郎と澁澤龍子夫人の記念対談も面白かった。 (もっとも満員でモニター席でしか観られなかったが。) 今回の展覧会で澁澤が友…

男と女のあやうい関係

先週末は部活動の大会があり、出張申請やら自習プリントの作成やら何だかモタモタしているうちにブログの更新がずいぶんと遅れてしまった。一度タイミングをはずすと、なかなか挽回できないね。いかん、いかん。 それにしても最近は気の抜けたサイダーみたい…

面喰らった一日

今日は年休をとって、松岡正剛の講演「日韓文化の渦と潮」を聴きに行った。 これは日韓女性親善協会が主催したもので、国会議事堂近くの憲政記念館で行われた。 話は横道に逸れるが、ここはあの尾崎行雄と深い関わりがあるらしい。 実際に足を運んでみると、…

これ、な〜んだ?

新宿駅東口から紀伊国屋書店と三越ジュンク堂の前を通り越して、15分ぐらい歩いていくと、模索舎(http://www.mosakusha.com/)という小さな小さな本屋がある。木造小屋のレトロな感じの本屋だ。 私は紀伊国屋にもジュンク堂にもよく足を運ぶが、この小さな…

カフェでの過ごし方

子供の頃からずっと、親に「勉強しなさい」と言われたことがない。 言われなくても勉強していたからだ。なぜ言われなくても勉強していたかと言うと、単純に楽しかったからだ。これまで勉強がつらいと感じたこともない。 高校1年生頃までは、実際に勉強もよ…

僕らの勇気

今日は昨日に引き続いて、東京に出た。頑張って朝早く来て、新宿で若松孝二の映画「実録・連合赤軍」を観た。 ぶっ続け3時間半の超大作だったが、途中で飽きさせないいい映画だと思った。音楽も素晴らしかった。 「総括」という名の内ゲバ闘争は、観ていて…

世界と物語

今日は六本木ヒルズで、松岡正剛の出版記念イベントがあった。 編集工学から探る「物語」、セイゴオの講演はさすがだった。 物語編集もさることながら、あのセイゴオの講演メソッドもぜひ学びたい。 それにしても六本木ヒルズのタワー群は凄かった。 49階か…

「自分」入りの世界

先週は、荻野アンナにからめて「笑い」の破壊力について述べた。 今回もそれと連続する格好となるが、「笑い」に関する本、小林昌平・山本周嗣・水野敬也の『ウケる技術』(新潮文庫)をとりあげたい。 筆者の一人である水野氏は『夢をかなえるゾウ』(飛鳥…

儚く狂おしい世界

今日は渋谷で、待ちに待った映画ヘンリーダーガーの「非現実の王国で」を観た。 東京はちょうど桜が見ごろで、どこもかしこも美しく咲き乱れていたが、映画のなかのダーガーも、そして彼の絵画も同じく咲き乱れていた。 やっぱり彼の絵には人を惹きつける力…

封じ手の妙

先週、書き込む予定だった文章が、いろんな事情で今週にまでずれ込んでしまった。「いや〜どうも、すいません(ポリポリ)」(って、ちょっと古いかな?) 前回はアフォーダンスに関わって、イチローの身体感覚に触れたと思う。 そこでと言うわけでもないが…

あちらこちら命がけ

昨日はずーっと前から準備を進めてきた研究会があり、いちにち早稲田で過ごした。 ゲストのアンナさんは、お茶目で綺麗だった。講演も面白かった。 やっぱり大変だけど、こうやってみんなでワイワイガヤガヤやると、いろんな発見があって楽しいね。 昨日はご…

「環境」に「型」を見出す

昨日は「自由学校」に託し、恥ずかしながら、ひそやかな夢を告白したが、今週は北川達夫『図解 フィンランド・メソッド入門』(経済界)を読んだ。 朝日新聞の書評欄などにとりあげられ、話題を呼んでいる本だ。 私も東京丸の内の丸善本店で平積みにされてい…

ひそかな夢

今日は、同僚に教えられ、パルク自由学校の春祭りをのぞいて見た。 結構、女性もいて、賑やかな雰囲気だった。 学校って、本来こうあるべきなんだろう。 みんな生き生きしている。 見ず知らずの者が集まって、ともに学び、ともに語り、ともに活動する。 代表…

ユビキタスの未来

きのうも一昨日に引き続いて東京に出た。 神保町の学士会館で行われた「図書街シンポジウム2008」に参加するためだ。 松岡正剛をはじめ、慶應の安西塾長、金子郁容、法政の田中優子、建築家の内藤廣など錚々たるメンバーが集ったのだが、当日のテーマであっ…

本と本棚のキャラクター

さすがに今回は更新が遅れてしまった。 きのう朝までかかって原稿は書いたんだけど、一日に2件の原稿をアップする仕方がわからず、日付が変わってしまった。 春は別れの季節。この3月になると、「卒業する先輩に色紙を贈りたいんで、先生も何か一言書いて下…

日本の行く末

今日は研究会の仕事があって、朝から東京に出掛けた。 ところが、待ち合わせの早○田大学に来て愕然とした。 ひ、ひ、人がいない!? 正門は門扉が閉じられ、学生の姿が見えない。 たしかに日曜とは言え、たしかに春休みとは言え、しかしこれはいくらなんでも…

あえてミクロを固持する

知らない間にNHKで私の映像が流れたらしい。たまたまテレビを見ていた義母が興奮気味に教えてくれた。いや知らなかったのではなく、単に私が忘れていただけだ。 録画していた同僚からテープを借りて、後から見た。 しかしビデオやテープに録った自分の声…

メメント・モリからはじまる?

ブログを始めて気がついたことがある。 それは日常そのものがブログのためのネタ探しになってきたということだ。 これまで「書く」ということにあまり貪欲になれなかった自分にとって、これは多分いいことなのだろう。 香西秀信『教師のための読書術―思考量…

胸騒ぎの一日

風が強い。黄砂が吹き荒れている。 こんな日はなんだかドギマギして落ち着かない。 そんななか今日は、用事のついでに、新宿コニカミノルタプラザで田中泯さんのダンスを鑑賞した。 こうしたパフォーマンスをみるのは初めてだが、泯さんの振る舞いは、まさに…

私は誰?

今日は坂口安吾の53回目の命日だ。(アップする前に日付が変わってしまった。いや、ギリギリセーフかな?) こうして一人自宅でこの原稿を書いている今、東京では恒例の「安吾忌」がお開きになり、もう二次会、いや三次会がはじまっている頃だろう。(いつも…